日本の将来を憂うる記事が増えている。高齢化社会、少子化現象、年金制度の崩壊、社会保険制度の限界、しかし憂いている割には危機感があまり感じられない。ソフトバンクの孫正義氏が「賭けてもいい。ものつくり産業で日本がもう一度輝く時代はありえない。断言します。」と発言すると、とんでもないと反発する声は小さくない。
しかし 30年後、40年後の日本を想像するといい。いま社会に出た若者が上級マネージャであるとか定年退職する前後の頃だ。将来と言ってもそんなに先の話ではない。その間に予想外の天変地異があるかもしれないが、そんな特異点は除いての話だ。ひたすら日本の生産労働人口は減少し、高齢化は進む。そのバランスが崩れてくると現在の社会システムは維持できない。売上げが減り、原価や経費が掛かりすぎる会社と同じことになる。最低限の人件費は掛るし経費を落とすことを努めても限界がある。会社はやがて破綻して倒産することになる。
この現実は確実にやってくるのだ。もっと危機感を持たなければならない。なぜならそれを打ち破る動機づけとパワーが必要だからだ。
そのためにやるべきことは『イノベーション』で世界に打って出るしかない。日本はものつくりというハードウェアを進化させて成長を続けてきた。しかしそれはもう競争力にはならない。これからはソフトウェアで勝負しなければならない。それがインベーションに求められている。孫氏の言葉を借りれば、これから日本が生き抜いていくべきは筋肉でもなく、人口でもなく、頭だということだ。それを託せるのは若者だ。
それでも少子化は留まらないだろう。しかし異常な人口構成の高齢化部分はいずれ落ち着く。その過渡期を、イノベーションを武器にやり過ごせれば日本の国土にふさわしい人口構成と知恵のある成熟した社会の日本の将来がある。
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